意外と知らない大黒柱の話

昔から、家族を背負って立つお父さんは「一家の大黒柱」と呼ばれてきました。語源は、日本の伝統的な木造建築の「大黒柱」から来ていると言われています。昔ながらの日本家屋は大黒柱を基準に骨組みや構造体が組み上げられ、まさにお父さんのように家を支える重要な役割を担っていましたが、近年、建築構法の変化により、大黒柱のあるお家も少なくなってきています。今回は、そんな意外と知らない大黒柱の話をご紹介します。


木造建築における、大黒柱の役割とは?

通常の2階建て住宅の場合、大黒柱の長さはおよそ6m。一本の木から伐り出され、大工さんが鉋などを使い大黒柱へと仕上げます。土台から屋根に向かって真っすぐ立てられた大黒柱の主な役割は、屋根の重さを支えること。逆に大黒柱も屋根の重みによって土台としっかり固定されます。また、大黒柱は平衡にかけられた梁ともつながっていて、家のバランスを支える重要な柱であり、また耐震性にも大きく貢献しています。このように、昔ながらの日本家屋は、大黒柱を中心に絶妙なバランスを保ちながら成り立っていることから、家族を支えるお父さんが「一家の大黒柱」と呼ばれるようになったこともうなずけます。

最高級ともなるとウン百万円のものも!

昔は、家や家族の健康と繁栄を願い、大黒柱にお金をかけることも珍しくありませんでした。欅や檜が使われることが多く、最高級と言われる樹齢300年位の欅にいたっては、300万円前後の値段がつくことも。また、樹齢だけでなく木の癖や耐久性、家との相性などでも木の価値は変わるので、大工さんの目利きが重要だとも言われています。

大黒柱になるまでには3年以上かかる

木は伐採してすぐに使えるわけではありません。伐採したあと、丸太の状態で流通がはじまり、製材店やバイヤーによって切り出しや乾燥が行われたあと、それを買い付けた大工さんや工務店などがさらに3年以上乾燥させ、一つひとつの家にあった大黒柱に仕上げていきます。自然乾燥は最低でも3年、長いものでは15年以上かかるものも。とても長い歳月をかけて丁寧につくられます。

いかがでしたか?大黒柱という名前は知ってはいても、どんなものかご存知でしたか?木造建築が見直されている中で、実は今、大黒柱を家のシンボルとして“魅せる”家も再び増えてきているんです。このように、若い世代の人たちが日本の木造建築に興味を持ってくれることは、とても嬉しいことですね。吹田・豊中・池田・箕面で木造建築を建てるならピアホームへ。大黒柱にご興味がある方も、お気軽にご相談ください。