あの絶世の美女も使っていた!?夏の必需品、網戸の歴史

夏は虫が活発に動き出す季節。特に蚊は、痒みだけでなくウイルスを媒介するため、世界中でさまざまな対策が行われてきました。日本の住宅に必ずといってよいほどある網戸もその一つ。視界を大きく妨げることなく、風を室内に取り込みながら、蚊をはじめとする虫の侵入をシャットアウトするこの網戸、実は、一般家庭に大きく普及しはじめたのは、昭和30年代のことなのだそうです。クーラーもない時代、窓を開けながらどのように虫対策をしていたのか?今回は、日本の網戸の歴史をご紹介します。


網戸の原型は、クレオパトラも愛用していたあのアイテム

網戸が普及しはじめる昭和30年代以前、同じ目的で使われていたのが蚊帳です。主に寝室に天井から吊るされるように備え付けられ、就寝時に使われていました。この蚊帳の起源は、紀元前に栄えた古代エジプト時代にまでさかのぼるといわれ、かのクレオパトラも愛用していたそう。ちなみに蚊の最も古い化石は、17,000万年前、中生代ジュラ紀の地層から発見されています。

昔は、庶民は使えないものだった!

日本には、奈良時代より前に中国より伝来してきたといわれています。戦国時代に入ると滋賀県の近江商人が麻を使った蚊帳をつくり始めましたが、戦国武将が姫君のお輿入れに使うほど高価なものだったそうです。その価格はなんと、お米3石分。現在の価値にして80万円ほどに。その後江戸時代に入ると量産されはじめ、庶民の間にも広まっていきました。

防虫網とアルミサッシの登場で網戸が急速に普及

このように、長く虫から人々を守ってきた蚊帳も突如衰退しはじめます。そう、網戸の登場です。昭和30年代に入り、国内で合成繊維による防虫網が開発され、時期を少し遅れて30年代後半にアルミサッシが登場したのを機に、急速に普及しはじめました。その後も網戸はどんどん進化し続け、現在は、薬剤を少しずつ放出して虫を追い払うものや、外がよりクリアに見えるもの、猫など動物がひっかいても破れにくいものなども販売されています。

 <まとめ>

いかがでしたか?日本ではお馴染みのこの網戸、実は海外であまり見かけません。美観を損ねるから付けないという国では、家の中に虫がいるのが日常で、網戸を取り寄せたい!と思っている移住者も少なくないようです。日本の夏にはなくてはならない網戸。10年後、20年後、これからどのように進化していくのか、今から楽しみです。吹田・豊中・池田・箕面で、夏も心地よく暮らせる木造住宅を建てるならピアホーム建設へ。網戸も色々お選びいただけます。